壁紙(クロス)糊について説明をさせていただきます。
1.取り扱いメーカー
①ヤヨイ化学工業株式会社 https://www.yayoikagaku.co.jp/
②ウォールボンド工業株式会社 http://www.wallbond.jp/
③株式会社大力 http://www.dai-riki.co.jp/
④極東産機株式会社 https://www.kyokuto-sanki.co.jp/
上記4社が一般的です。
2.糊の種類と商品名
種類
①1種・・でんぷんを主成分として増量剤、安定剤、防腐剤、防かび剤などが配合され、使用時に水で希釈します。
・ウォールボンド工業(株) 商品名 グルーS
・(株)大力 商品名 クロスダインA
②2種1号・・1種の材料のほかに合成樹脂エマルション(ボンド)を配合し、使用時に水で希釈します。
・ヤヨイ化学工業(株) 商品名 ルーアマイルド、アミノール、アミノールUP、
アドウォール、他
・ウォールボンド工業(株) 商品名 スーパーグルー96α
・(株)大力 商品名 クリーンペースト、スーパークリーンペースト
③2種2号・・1種の材料のほかに合成樹脂エマルション(ボンド)を配合し、使用時に希釈しないで使用するもの。
・ヤヨイ化学工業(株) 商品名 ダイレクトPRO、ダイレクトUP
・ウォールボンド工業(株) 商品名 ウォールボンド100、ウォールボンド105
ウォールボンド200
・(株)大力・・商品名 スーパークロスダイン
④でんぷん・メチルセルロース(粉糊)
・極東産機(株) 商品名 NEWプロフィット
*極東産機さんは、粉糊(こなのり )という少し特徴的な糊を扱っています。
一般的なペースト状の糊は18kgあって、持ち運びが少し大変ですが、
1袋2kgで150㎡張れる粉糊は運搬が楽ですが、水で希釈しクロス糊の状態
にするまでに少々時間がかかります。
3.まとめ
1種と2種の違いとしては、でんぷん糊の中にボンドが入っているかどうか、になります。下地が石膏ボード(表面が紙)で一般的な壁紙を貼る分では1種のボンドなしのクロス糊で十分です。条件として、各メーカーが出している希釈率(混ぜる水の量)を守り、オープンタイム(熟ませ時間)を取ることを忘れないでください。
2種1号、2号の糊は、ボンドが混ざっているため、初期タック力が1種の糊より強いことになります。そのため、汚れ防止機能など機能付きの癖の強い壁紙を張る場合は、2種のボンド入りの糊でないとジョイント部のおさまりであったり、出隅の部分のおさまりがうまくいかないことがあります。
2種2号の糊は原液糊と言われ、水で希釈する必要のない糊となり、希釈する手間もなく、大きな糊バケツも必要がないです。また、水で研いでいないという事で、伸縮率の高い紙系の壁紙などでは、こちらの2種2号の原液の糊の方が良いです。
以前聞いた話で、ハウスメーカーが「職人さんによって壁紙の仕上がりの違う理由が糊の濃さによると思われるところがあります。職人さんによって糊を薄く作っているように感じます。糊の濃さを操作できない、原液のクロス糊を作ってください。」と要望されて開発されたと聞いたことがあります。
このように2種2号の糊を使えば、仕上がりは安定すると思います。先ほどオープンタイムの話をしましたが、汚れ防止壁紙など機能付きの商品を張るときにはオープンタイムを普通の壁紙より長く取ることも忘れないようにしてください。各ブランドメーカーが商品ごとに記している施工要領書をしっかり確認して施工してください。
4.おすすめ図書
「素晴らしい壁紙に素晴らしい技術」
発行:壁紙施工団体協議会 平成17年9月 定価 1200円+税
株式会社ビルトゥ 壁紙スクール